まだ幸せな気持ちに浸っています。
3月2日。정월대보름。旧暦の1月15日。
一年で一番はじめに満月の浮かぶ希望の日。
李淑任(リ・スギム)高音チョッテミニコンサート「はじまりの音」を、私のお店Sorinamuにて開催いたしました。
いよいよ今月末でお店をcloseすることになりました。
終わりを迎える私にスギムは、「はじまりの音」というタイトルのコンサートを贈ってくれました。
終わりがあるからこそ、また新たなはじまりがある。そしてまた終わり、また始まる…というスギムのことば。
この満月の日、このコンサートを通じて、たくさんの方々が新たな始まりを感じていただけたら…そんな思いでそれぞれがコンサートの準備にとりかかりました。
オープニングは「はじまりfullmoon」。
この日のために作ってくれた曲です。
朝鮮半島の달아달아という曲をベースにしていて幻想的で、不思議と力強い雰囲気もある素敵な曲でした。
私はチャンゴの伴奏をさせてもらいました。
一曲目からすいこまれるような高音チョッテの音色。
スギムの魅力は演奏技術だけではありません。
コンサート後たくさんのお客様からいただいた、「トークがおもしろかった!」。
「좋다」(チョッタ)という言葉を覚えて下さいね。「ブラボー」という意味。演奏が良ければ、「チョッタ」をお願いします、と続いた二曲目、演奏の合間にも「チョッタ、チョッタ!」の声が上がりました。
서도아리랑(西道アリラン)。
アリランについてや、曲の内容もわかりやすく解説してくれます。
そしてご年配の方たちには特に耳馴染みのある、
농장벌의 봄(農場の春)
蘇州夜曲。
韓国ドラマ「イ・サン」のテーマ「約束」は二人で共演。
コンサートの後に、「あの曲が韓ドラのOSTの中で一番好きなんです!!」というお言葉もいただきました(#^.^#)
私も、一曲弾き語りをさせてもらいました。
私にとっての「始まりの歌」。
この歌で、たくさんの舞台で演奏するきっかけをいただきました。
「涙そうそう」に、感謝の思いを込めて。
演奏活動を始めてから10年、
色んな思い出がめぐりました。
親しいお客様たち、家族のような温かいまなざしで聞いて下さいました。
そしてこの日は、お客様とも共演をしたんです!(*’▽’)
お客様には半々に分かれていただいて、ド(シ♭)と、ソ(ファ)の音をハミングで出してもらいました。
んーーーーーーーと、和音が響く中、スギムが長調・メジャーの短い曲を吹いたんです。
そして次にまた同じド(シ♭)と、ソ(ファ)の音をハミングで出してもらいながら、次は短調・マイナーの曲を演奏しました。
同じンーーーーーーーーーを歌ってるのに、感じるものが違う。
何がいいたいのかというと。。。
自分たちが出している音は同じ、でもほんのちょっっっとの違いで、受ける印象は違う。メジャーになったりマイナーになったり。
ほんのちょっとのことで、人の気持ちやとらえ方は変わってくる。
そしてメジャーだからいい、マイナーだから暗くてダメとか
ポジティブがいいこと、ネガティブはダメなこと、とかではなく
どちらもまずは、ありのままを感じる。ありのままを受け止める。
そこにはほんの少しの差しかない。
少しの問題を大きくしたり、排除しようと力を使う必要はない。
そんなことを和音のワークを通して伝えてくれました。
そして、どんな状況でも揺るぎなく、当たり前に愛されている存在…というと、子供たち、赤ちゃんたち、ですよね。と続きました。
この日は子供たちを愛する母の気持ちを歌った、
너는 나의 사랑(あなたは私の愛)を演奏してくれました。
この曲は、昨年金剛山歌劇団公演でうちのお店に遊びに来てくれた時、店内で一度高音チョッテを吹いてくれて、コンサートするならこの曲はやりたいと、はじめから言ってくれていた曲でした。
そしてリ・スギム、自身のコンサートではじめて、歌っちゃいました(笑)
ラストは流光~歳月は流れても~
このお話の中でとても印象深かったことばがあります。
「流光(リュグァン)、流れる光、私のとってそれは希望です。
皆さんがこの曲を通して希望を感じて下さったら…」
とても力強いメッセージでした。
スギムが作曲したものをベースに作られた流光。彼女にとって特別な曲。
実は私の結婚式の入場曲はこの「流光」、私にとっても特別な曲です。
最後の曲を演奏し終わると、この日一番の「チョッタ!」が会場を包みました。
もちろんアンコールです!
「アリラン」。
1時間ちょっとの短い時間の中に演奏家リ・スギム、人間リ・スギムの魅力が、いっぱいに詰まったコンサートでした。
ミニコンサート「はじまりの音」は私にたくさんの希望を与えてくれた。
お客様も受け取ってくださったのではないでしょうか。
きっとスギムもそうだけど、
本当に幸せなひと時で、
演奏できる幸せ、
たくさんの人に支えられている喜びを深く感じ、
噛み締めた夜でした。
そしてあらためて
スギムあなたに出会えて良かった。
17年前音楽を通じて出会い、今もこうして繋がってる。
そして昨日はじめて音楽で共演ができた喜びを、私はこの先も忘れない。
スギムのように、私も私らしく生きていこうと思った。
高音チョッテ「はじまりの音」。
はじまる私の背中を強く押してくれた。
足を運んでくださった40名のお客様、本当に本当にありがとうございました!
終演後、二人(+娘二人)で見上げた空には美しい満月が浮かんでいました。

ミョンミ

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